AMATSUN’s blog

50代サラリーマンのセミリタイア

仕事21(内部通報あれこれ)

今日は、中高年、シニア世代の人との繋がりの想いみたいなことを書こうかと思っていたのですが、仕事上のむしゃくしゃもあるので、仕事を始める前に吐き出させて頂きます。

コンプライアンス、内部通報に直接関与するようになったのは、中堅以下の企業に転職してからなので、40歳代後半からです。今日は、最近の事案であらためて感じたこと、意外に誤解とか認識されていないことを書いてみたいと思います。

予め、私の個人としての立場意見としては、正規の内部通報に関わらず、通報告発、匿名顕名であれ、その制度や行為に関しては賛同はしてませんが、それが制度としてや組織マネジメントにおいて「ある」ということは避けられないものであること、自分も「やられたことがある側」であることを記しておきます。

 

1.匿名であることなどから否定的な経営陣もいる

会社、企業、経営陣の品格や質、また歴史や育ちで、かなり左右にブレがありますが、中には「匿名はずるい、信用ならない」という考えの人がいます。

これは一理あると思うことは、私はおかしい/古い考えと思います。ただし、匿名の場合には調査や対処も顕名の場合とは差が出てきてしまいます。それ以外に、通報の内容の真偽や信用性を、匿名であるか顕名であるかで違いや色眼鏡で見るのはおかしいと思っています。その理論的根拠はありません、全てこれまで扱ったことからの経験からです。顕名のもの(人)でも、標的を陥れたいためのような悪意に近いものもあります。匿名でとても重大で正確な通報もあります(むしろこっちの方が多い)。

2.疑わしきは罰せずというきれいごとの経営陣

一見、公正で刑罰などの不利益的処分はあってはならないポリシーに聞こえます。しかし、まず現実問題、内部通報担当部門は、警察や検察じゃないので、調査能力に当然ながら限界がありますので、白黒、真偽を明確にすることはほぼできないの現実です(第三者委員会とか調査委員会とかのレベルならまだしもですが)。

なので、このポリシーに従うと、ほぼすべての通報案件で何も「処分」等はできないどころか、通報事案で嫌疑をかけられた人の権利保護ばかりに傾き、通報者の不満がたまり、爆発すると外部に「内部通報システム自体が機能していない」とリークされたり、訴訟されたりしちゃいます。

誰かを検挙すること自体が内部通報の目的ではありませんので、真偽が尽くしがたい調査結果に対してどう向き合うか、どう判断するかはまさに「経営判断」です。

3.信用性/嘘八百/全くの捏造はほぼない

上記の1.と2.と関連してくるのですが、最初から「悪意のもの(ばかり)なのではないか」という主観を持っている経営陣がいます。しかし、まず全くの捏造、ありもしないことの通報はほぼないです、私は一度もこれには出会ったことはないです。

他方で、小さなことを極大化して言っていることはありますし、ほぼすべての通報は程度レベルはありますが一定程度の誇張はあります。しかし、誇張の部分があるからと言って、それ自体全体が信用ならないというように捉える人がいますが、それはおかしい、そもそも「聞きたくない」のでしょう。

4.リピーター

内部通報マニアとは言わないまでも、これはいます。2種類あって、①自分のことではなく他人が受けているようなことを年に1回は通報してくる正義感きどりの人、②自分のことではあるがそれは上司とかに相談するべきことを言ってくる人。

①はもうしょうがないです。問題は②で、これが起きる会社組織は、会社組織自体がイケてない問題組織です。要は、上司などマネジメントラインが傾聴する組織運営ができていない or/and で従業員の質が低い。

なお、リピーターに「あんたリピーターだろ」とか言っちゃうと、訴訟になって負けます。この手の対応しちゃって世間で出ている事件って、結構あるんですよ。

5.最後に刺すのは意外に身近な人や部下等

通報事案に対して、周りからの匿名前提でヒアリング調査をするのですが、全員がほぼ同じような回答や印象の場合、真偽が付き難くなるわけです。日本人は、おごそかなので多くはこうですが、中にはここぞとばかりではないものの、「あー、そうですよ」という人が出てきます。それは、身近な部下の場合が多いです。

6.対応に甘い/辛い会社と件数

これも経験からですが、対応が甘い、嫌疑が不十分だから被告人(?)の利益にという判断の経営陣の会社は件数が飛躍的に多いです。他方、通報されたら最後、これはこれで問題なのですが、「けしからん」系の社長の会社はほぼ通報事案に対して何らかの処分なり人事的な措置が伴う結果の会社は、逆に件数は多くならないです。それは、従業員側も「通報したらある意味最後」で、調査の過程で自分もかなり巻き込まれる、言ったらおしまいにはならないし、ある意味の「被害者」は出るという認識があるからです。

 

以上が実態経験(やられた経験も含め)からで、参考というか興味を持って頂ければ幸いです。

今かかわっている会社は、「匿名否定的/疑わしくは罰せず/ウソの通報もある/対応が甘い」でして、以前、いた会社(複数)は真逆で「疑わしくても罰する/対応が厳しい」ところでしたので、最近、とてもストレスが溜まりますわ。

 

あ、あと内部通報窓口業務受託会社の人が言ってましたが、コロナ禍、リモート勤務で、圧倒的に「セクハラ」の案件は激減しているそうです。他方で、勤務形態や処遇の不満が増えているそうです。そりゃそうでしょうね。